食品製造業のFAX受注効率化|AI-OCR・Web受注の比較と選び方・費用の考え方
2026/09/11
食品製造業のFAX受注は「FAXをなくす」前に後工程を効率化
FAXを残したまま減らせる受注作業
食品製造業のFAX受注は、FAXそのものを残しても効率化できます。見直したいのは、FAXを受信してから受注データとして確定するまでに人が行っている作業です。
たとえば、受信した注文書を担当者が確認し、得意先名や商品名、数量、納期、納品先を読み取り、販売管理システムへ入力している場合、FAXは入口にすぎません。時間がかかっているのは、その後の読み取り、照合、判断、入力です。
効率化を考える際は、まず現在の作業を次のように分けてみると整理しやすくなります。
- FAXの受信・仕分け
- 得意先や注文内容の確認
- 商品コードや規格の照合
- 数量・ケース/バラの確認
- 納品先や納期の確認
- 販売管理・基幹システムへの入力
- 不明点がある注文の問い合わせや訂正処理
この中で、機械的に繰り返している作業と、人の判断が必要な作業を分けることが重要です。すべてを一度に自動化する必要はありません。定型作業を減らし、担当者が確認すべき注文だけに集中できる状態をつくるだけでも、受注業務は大きく変わります。
効率化に向いている会社と先に整理が必要な会社
FAX受注の効率化は、FAX枚数が多い会社だけの課題ではありません。毎日一定量の注文を手入力している、午前中に処理が集中している、担当者によって処理方法が違う、といった会社では検討する価値があります。
特に、注文書を見ながら同じ項目を毎回入力している場合は、見直しの余地が大きいでしょう。また、ベテラン担当者だけが得意先ごとの略称や商品コードを理解している状態も注意が必要です。
一方で、注文書の確認ルールそのものが決まっていない場合は、すぐにツールを導入しても効率化しにくくなります。「この得意先ではこの名称をこの商品として扱う」「この数量表記ならケース単位として処理する」といった判断が担当者の頭の中だけにあるからです。
その場合は、まず現場の処理ルールを洗い出し、業務を標準化することが先になります。Office Achieveでも、業務の属人化、連携ミス、アナログ作業による生産性低下を受注現場の課題として捉えています。
AI-OCR・Web受注・EDI・RPAの選び方と注意点
FAXを残すならAI-OCRを含む仕組み化
取引先に注文方法の変更を求めにくい場合は、FAXを受け取る運用を残しながら、その後の処理を効率化する方法が現実的です。
代表的な方法の一つがAI-OCRによる注文書のデータ化です。FAX画像から文字や数字を読み取り、受注データとして利用できる形へ変換します。
ただし、重要なのは「文字を読み取れたか」だけではありません。食品製造業では、得意先が使う商品名と自社の商品名が違うこともありますし、得意先コードと自社コードの対応付けも必要です。
そのため実務では、FAX受信からデータ化、商品マスタとの照合、例外確認、基幹システムへの登録までを一続きで考える必要があります。
Web受注・EDIへの切り替えが向くケース
すべての取引先がFAXを使い続けなければならないとは限りません。注文量が多い取引先や、双方がシステム対応できる取引先については、Web受注やEDIへ切り替える方法もあります。
大口取引先との定型注文が中心であれば、最初からデータで受注できる仕組みの方が効率的な場合があります。逆に、小規模な取引先が多い、取引先ごとに運用が違う、FAXを希望する取引先が残っている場合は、一律の切り替えが負担になることもあります。
その場合は、FAXかWebかの二者択一にする必要はありません。FAXを残す取引先と、デジタル受注へ移行する取引先を分ける方法もあります。
大切なのは、理想的な仕組みを一気に完成させることではなく、取引先と自社の負担を踏まえて、現実的に移行できる方法を選ぶことです。
ツール導入だけでは効率化しにくい理由
受注業務では、「システムを入れれば効率化できる」と考えがちですが、実際には業務ルールの整理が欠かせません。
たとえばAI-OCRで注文書を読み取っても、担当者がすべての項目を目視確認し、修正してからCSVに出力し、そのCSVを見ながら別のシステムへ入力しているのであれば、負担は十分に減らない可能性があります。
また、商品マスタと紐づけられなければ、読み取った商品名を人が毎回判断しなければなりません。例外処理が多すぎる場合も同様です。
Office Achieveでは、新しいシステム導入を一切の前提とせず、現在の環境のままでムダな業務を減らす考え方を掲げています。
先に「どの作業をなくしたいのか」「どこまで自動化すれば効果が出るのか」を決め、その後で必要な仕組みを選ぶ方が、現場に定着しやすくなります。
食品製造業でFAX受注を効率化するときの実務上の確認ポイント
商品コード・規格・ケース/バラまで含めた照合
食品製造業の受注では、注文書に書かれた文字を正しく読み取るだけでは処理が完了しません。自社の商品マスタと正しく結び付けられることが重要です。
たとえば、同じ商品でも取引先独自の商品コードが使われていることがあります。商品名も正式名称ではなく略称で記載されることがありますし、容量や入数の違う商品を似た名称で管理している場合もあります。
さらに、「10」という数字が10ケースなのか10個なのかによって、出荷内容は大きく変わります。ケース、ボール、バラなど、受注時の単位も確認が必要です。
こうした業務では、単純な文字認識率だけを見るのではなく、読み取った情報を自社の商品コードや受注ルールへ変換できるかを確認する必要があります。
納品先・納期・訂正FAXなど例外処理の設計
受注業務で時間を取られるのは、通常注文よりも例外処理です。
たとえば、通常とは違う納品先への配送、納期変更、注文数量の訂正、同じ注文の再送、FAX送信後の電話変更などがあります。こうした注文を通常処理と同じ流れに乗せると、二重登録や見落としにつながる可能性があります。
そのため、効率化を進める前に「どの注文なら自動処理できるか」「どの条件なら担当者確認へ回すか」を決めておくことが大切です。
すべてを自動処理することを目指すより、通常注文を効率よく処理し、判断が必要なものだけを人に分ける方が、現場で運用しやすい仕組みになります。
基幹・販売管理システムへの登録まで含めた業務フロー
受注効率化で見落とされやすいのが、データ化した後の処理です。
FAXを電子化し、注文内容をデータとして取り出せても、その後に担当者が基幹システムへ手入力しているのであれば、転記作業は残ります。
そのため、改善を考える際には、
「FAXを読み取れるか」
ではなく、
「FAXで届いた注文が、どこまで人の入力なしで受注データになるか」
を見ることが重要です。
連携方法は現在使用しているシステムによって異なるため、事前確認が必要です。CSVによる取り込みが可能なのか、別の連携方法が必要なのか、現在の環境の中でどこまで実現できるのかを整理します。
ここまで確認すると、単なるFAX電子化ではなく、受注業務全体の改善として判断しやすくなります。
費用対効果を判断するための確認事項
FAX枚数より先に把握したい作業時間
「FAXが何枚あれば効率化した方がよいのか」という疑問は多いですが、枚数だけでは判断できません。
同じ月500枚でも、1枚30秒で処理できる会社と、商品コード確認や納期確認を含めて数分かかる会社では、改善効果が大きく異なります。
まず確認したいのは、現在どのくらい人の時間を使っているかです。
- 月間のおおよそのFAX受注件数
- 1件あたりの平均処理時間
- 受注業務を担当する人数
- 注文が集中する曜日や時間帯
- 入力後のダブルチェック時間
- 訂正や問い合わせにかかる時間
- 特定の担当者しか処理できない業務
これらを把握すると、「どの作業を何時間減らせれば効果があるか」が見えてきます。
Office Achieveの事業案内でも、受注担当5名を想定した改善シミュレーションとして、新たなシステムへの追加投資を行わず、属人化やムダな作業時間を減らすことで年間約200万円のコスト削減を見込む例を示しています。これは個別企業への保証ではなく、改善効果を考える際の一つのシミュレーションです。
導入費用だけで判断しないための考え方
FAX受注の効率化にかかる費用は、採用する方法によって変わります。今回の材料にはAI-OCRなどの具体的な料金情報がないため、金額を一律に示すことはできません。
費用を比べる際は、ツールの基本料金だけでなく、運用開始後にどれだけ人の作業が残るのかを見る必要があります。
たとえば、低価格の仕組みでも毎回多くの修正が必要なら、人件費は残ります。一方、初期設定に手間がかかっても、その後の商品照合や入力作業まで減らせれば、総合的には効果が出る可能性があります。
見積もりを取る前に、対応帳票数、月間処理量、商品マスタの状況、既存システムへの連携方法、例外処理の考え方を整理しておくと比較しやすくなります。
効率化効果が出にくいケースの見分け方
どの会社でも、AI-OCRや受注システムを入れれば同じように効率化できるわけではありません。
特に注意したいのは、OCR後に人がほぼ全項目を修正する運用や、商品マスタとの対応関係が整理されていない状態です。また、データ化した後に別システムへ再入力する運用が残れば、改善効果は限定的になります。
効率化を進める前に確認したいのは、次のような状態です。
- 担当者ごとに受注処理の方法が違う
- 得意先ごとの商品名やコード対応が整理されていない
- 訂正注文の扱いが統一されていない
- OCR後も全件を人が確認し直す想定になっている
- データ化後も基幹システムへの再入力が必要
- 現場の処理方法を把握せずに導入製品だけを選んでいる
当てはまる項目が多ければ、まず業務整理から始めた方がよい場合があります。効率化の目的はツールを入れることではなく、受注担当者の作業量を実際に減らすことです。
Office Achieveが重視する現場起点の受注業務改善
新しいシステムを前提にしない改善アプローチ
Office Achieveは、食品製造業の受注業務について、まず現場を確認し、現在の業務の中にあるムダや属人化を整理することを重視しています。
代表は食品製造業界で42年間の経験を持ち、長年物流・受注業務に従事してきました。事業案内でも「徹底して現場に密着した改善」を掲げ、現場へ過度な負担をかけず、経営側と現場側のギャップを埋めながら進める方針を示しています。
FAX受注を効率化するときも、いきなりFAXを廃止したり、大規模なシステムへ入れ替えたりすることを前提にはしません。
現在のFAX、Excel、販売管理システムなどを確認し、まず既存環境の中で減らせる作業を探します。そのうえで、必要であれば仕組みやツールの活用を検討します。
属人化を減らし「誰でも回せる仕組み」へ
受注業務の効率化は、単純な時間短縮だけではありません。
特定の担当者しか処理できない注文が多いと、その人が休んだときに業務が止まりやすくなります。新人が入っても、得意先ごとの細かなルールを覚えるまで時間がかかります。
Office Achieveでは、こうした「その人しか分からない」状態を減らし、誰でも回せる仕組みにすることを改善の一つの目的としています。事業案内でも、受注精度の向上と効率化、属人化からの脱却、欠員や災害時にも揺るがない組織づくりを提供価値として示しています。
FAX受注の改善でも、担当者の頭の中にある判断をルールとして整理することが重要です。結果として、効率化だけでなく、引き継ぎや教育の負担軽減にもつながります。
現場調査から定着まで進める改善の流れ
Office Achieveでは、改善を一時的な提案で終わらせず、現場に定着させる流れを重視しています。
事業案内では、まず目指す目標を明確にし、現場調査と現状分析を行い、その結果から具体的な改善策を立案する計画フェーズを設定しています。その後、現場と一体になって改善策を実行し、誰でも回せる仕組みとして定着させる実行フェーズへ進みます。
FAX受注についても、最初から「AI-OCRを導入する」「Web受注へ切り替える」と決める必要はありません。
現在どのような注文書が届き、誰が何を確認し、どこに入力し、どのような例外対応をしているのか。まずはこの流れを整理することから始めます。
「現在のFAX受注のどこに改善余地があるのか分からない」という段階でも、業務を整理するところからご相談いただけます。
食品製造業のFAX受注効率化でよくある質問
FAXを廃止しなくても受注業務を効率化できますか?
可能です。FAXを注文の入口として残しながら、その後の読み取り、商品照合、入力、確認作業を減らす方法があります。
取引先へ一斉に注文方法の変更をお願いすることが難しい会社では、まず自社側の後工程を見直す方が進めやすい場合があります。
重要なのは「FAXを残すか、なくすか」だけで判断しないことです。取引先ごとにFAXを残す、Web受注へ切り替えるなど、複数の方法を併用する選択も考えられます。
手書きや取引先ごとに異なる注文書への対応可否
対応できる範囲は使用する仕組みや帳票の状態によって変わるため、実際の注文書を確認する必要があります。
特に手書き文字、罫線、FAX画質、訂正記号などがある場合は、一律に「読み取れる」と判断しない方が安全です。
また、読み取りそのものが可能でも、得意先別の商品コードや単位を自社マスタへどう紐づけるかは別の確認事項です。
実際のFAX帳票を数種類用意し、通常注文だけでなく、読みづらい帳票や訂正注文も含めて確認すると、実運用に近い判断ができます。
AI-OCRを入れれば手入力はすべてなくなりますか?
必ずしもすべてなくなるわけではありません。
AI-OCRは注文書をデータ化する手段の一つです。その後に商品コード変換、数量・単位確認、納品先確認、基幹システムへの登録が残っていれば、人の作業は続きます。
そのため、導入前には「OCRで何%読めるか」だけでなく、「受注確定までに人が何回操作するか」を確認することが重要です。
異常値や例外注文を人が確認し、それ以外を効率的に処理できる仕組みになっているかを見ると、導入後の実務をイメージしやすくなります。
どのくらいのFAX枚数から効率化を検討すべきですか?
明確な枚数だけでは決められません。
月間FAX枚数が少なくても、1件あたりの処理時間が長い、確認事項が多い、担当者が限られている場合は改善効果が期待できます。一方、大量のFAXがあっても処理が単純で短時間なら、優先順位が変わることがあります。
まずは「FAX枚数×1件あたりの処理時間」で、おおよその作業量を把握してください。さらに、ダブルチェック、訂正対応、問い合わせ対応まで含めると、より実態に近い数字になります。
現在の基幹システムを変えずに改善する場合の相談方法
現在のシステムを継続しながら改善できる可能性がありますが、連携方法は事前確認が必要です。
Office Achieveは新しいシステム導入を前提にせず、まず現行業務を確認して、既存環境の中で改善できる範囲を整理します。
ご相談時には、可能であれば次の情報があると現状整理が進めやすくなります。
- 月間のおおよそのFAX受注件数
- 実際に使用している注文書の例
- 1件あたりのおおよその入力時間
- 現在使用している販売管理・基幹システム
- 受注担当者の人数
- 特に負担を感じている作業
すべて揃っていなくても問題ありません。まずは現在どの作業に時間がかかっているのかを整理するところから検討できます。
食品製造業のFAX受注を効率化するための確認ポイント
- FAXを廃止しなくても、受信後の入力・照合・確認作業は見直せます
- 効率化ではFAXそのものより、受信後に人が行っている作業を確認することが重要です
- AI-OCRは文字を読み取るだけでなく、その後の商品照合や登録まで含めて検討する必要があります
- 得意先商品コードと自社商品コードの対応関係も重要な確認事項です
- 商品の規格やケース/バラなどの単位違いは、食品製造業の受注で特に注意したい項目です
- 納品先変更や訂正FAXなど、例外注文をどのように扱うか事前に決めておく必要があります
- データ化した後に基幹システムへ再入力する運用が残ると、効率化効果が小さくなる場合があります
- AI-OCR、Web受注、EDIなどは、自社と取引先の状況に合わせて選ぶことが大切です
- 月間FAX枚数だけでなく、1件あたりの処理時間や確認工数まで把握すると改善効果を判断しやすくなります
- 担当者ごとに処理方法が違う場合は、ツール導入より先に業務ルールを整理した方がよいことがあります
- 目指すのは完全自動化だけではなく、人が確認すべき注文に集中できる状態をつくることです
- 属人化を減らすことで、担当者不在時や引き継ぎ時にも対応しやすくなります
- Office Achieveでは、新しいシステム導入を前提とせず、現場調査と業務の見える化から改善を進めています
- 現在のFAX受注で何を改善できるか分からない場合は、実際の業務を整理するところから相談できます
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